「成長させてくださるのは神です」
<聖書>コリントの信徒への手紙Ⅰ3:6~9
隅野瞳牧師(日本基督教団 山口信愛教会)
教会を開拓したパウロにつく派や、その後教会を導いたアポロにつく派など、コリント教会の信徒たちは分裂していました。主イエスを信じて神の子として産まれたのに、まだねたみ争っているとは、あなた方は霊的な乳飲み子だとパウロは嘆きました。罪の赦しや永遠の命、「神は私に何をしてくれるのか」という福音の初歩に留まるのではなく、主の弟子として十字架を担い、「神は私に何を願っておられるか」を求めるのが成熟したクリスチャンです。私たちが福音を伝え、違う賜物をもった兄弟姉妹と心を一つに奉仕すること。教会が神に喜ばれる実を結ぶように仕えることを、神は願っておられます。
主から割り当てられた分に応じて、パウロとアポロは福音宣教と成長のために働きました。しかし神はずっとその背後で働き、二人の奉仕を支え、コリントの信徒たちに関わってくださっていたのです。教会にはいろんな役割をもつ人がいますが、皆「神のために力を合わせて働く者」です。私たちの奉仕は神の御業への部分参加であり、神が責任をもってくださいます。私たちは神が割り当ててくださった時代と場所の中で、委ねられた務めに仕え、主と共に天の喜びを味わうことを許されます。大切なのは植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です。私たちの救いを誰よりも願い、独り子をさえ惜しまず与えてくださった方。今もなお私たちの救いの完成のために尽力し、忍耐し続けてくださっている神にこそ思いを向け、心を合わせて祈りましょう。