式典に引き続き、記念シンポジウムが開催されました。コーディネーターは、保坂芳男先生(拓殖大学学国語学部英米語学科教授)、シンポジストは、徳山英学会で長年にわたり浅田研究をなさってこられた、河口昭先生、高橋作太郎先生(東京外国語大学名誉教授、元同大学副学長、リーダース英和辞典監修者)、五十嵐二郎先生(広島大学名誉教授・元広島文教女子大学学長)、そして、神学の立場から、私も末席に加えて頂きました。
私にとっては、浅田の英語教育の分野の偉業については、十分な理解を得ていませんでしたが、高橋作太郎先生や五十嵐二郎先生の発表をお伺いし、私のレジメは、メモで一杯になるくらい興味深く、彼の英語教授実践への情熱は、すべての学問に通じる普遍的内容を含んでいることを、聖書を伝えるものとして、深く感じ入る者がありました。
また、彼が青山学院を去り、聖書神学から英語学へと転向せざるを得なくなった先でも、実に優れた教育者として、また予算人事に関わる学校経営の実務者として、その力を遺憾なく発揮していたことを深く知ることが出来、自分の生き方にも深く迫るものを感じました。
彼は神学においてもあの時代(1900年前後)、海外に引けを取らないパイオニア的存在でしたが、英語学においてもその先端を走っていたことに驚かされました。彼の一途な探究心と熱心な研究と実践に、敬服するばかりです。
英語教育の立場からお話になった、五十嵐先生に至っては、「日本の英語教育は浅田に帰れ、浅田に帰れ、浅田に帰れ」と三連呼なさって発表を終えられ、実に印象的でした。
会場は、100名を超える方々で満席となり、入り口にまでイスが並び、熱気に満ちていました。
自分もこのままでいいのだろうか、と発憤させられる刺激的なシンポジウムとなりました。
このような晴れの場の末席に加えて頂き、大変光栄でした。
本企画に情熱的に取り組まれた、浅田研究の第一人者である、河口昭先生のご尽力に、敬服するものであります。