「思い悩まず、神の国を求めよう」
<聖書>ルカによる福音書12:27~32
武田真治牧師(日本基督教団 広島教会)
「何を食べようか、何を飲もうかと考えてはならない。また、思い悩むな。」(29節)しかし、信仰を持ってもあれこれと考え、迷い、思い悩んでしまう、それが人間の現実の姿です。この言葉は、ちゃんと必要なものは、神様は必ず与えて下さるから必要以上に思い悩むなということではないかと思います。 それ以上に「神の国を求めること」に熱心であってほしい、そのことに時間を裂き、考え、求めて欲しいと願っておられるのです。 ここでの「神の国」とは、一つは勿論、天のみ国、私たちが死んでから行く、神様のみ元です。しかしもう一つの意味としては、この地上で神様が支配される場所、地域をも意味します。例えば、私たちの心の中に神様が住んで下さる、神様が支配して下さる状態とも言えます。私たちが神様のことを見上げて、考える時、その瞬間、心の中が神様に支配される、その時、真の平安や安心に満たされる、それが力となり支えとなって生きていけるのです。この教会の交わりの中にも主が来ていて下さることが実際に在り得ることだと言えます。ここに主がいて下さることは、ここが神様の国となるということです。「主よ、来てください」「主よ、来たりませ」といつも天を見上げながら、人に必要以上に目を奪われることなく、み国を祈り求めていく者でありたいものです。 |