「沈黙の中で」10/20 浦上光伝道師

  10月20日説教 「沈黙の中で」
浦上光伝道師(日本基督教団 防府教会)
聖書:ルカによる福音書1:5~25

 祭司ザカリア。「神は覚えておられた」という意味です。その名の通り祈りが聴かれたことを天使が伝えます。「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい」(13-14節)。毎日祈ってはいました。しかし、信じられません。「わたしは老人ですし、妻も年をとっています…」。このため、ザカリアは口がきけなくなってしまいました。しかし、これは彼が神から裁かれたしるしなのでしょうか。私はそうは思えません。自分が不信仰だと言われ、自分が不信仰であると気づいた時、本物の信仰が始まるのです。
 彼は祭司で他の人よりも神に近くいました。いたと思っていました。しかし、彼は神と出会った時、信仰とは、神の側に立つのではなく、神のまん前に立つことであると知らされました。信仰者ザカリアがここに誕生します。だから、口が利けなくなり、耳も聞こえなくなった沈黙の世界の中であっても、嬉しくてたまりません。沈黙の約1年弱を、神と交わる充実した恵みの時として過ごしました。
 ザカリアは強制的に沈黙させられましたが、それは彼にとって必要なことでした。私たちの忙しい生活の中で、彼のように心静かに神に向かう時が与えられますように。